アキレス腱炎はこんな病気?
アキレス腱炎とはふくらはぎの筋肉とかかとの骨(踵骨=しょうこつ)を結ぶ太くて丈夫な腱であるアキレス腱に炎症を起こした状態です。
一般にアキレス腱炎は剣道や陸上、ジャンプスポーツなど運動選手に多くみられる疾患です。走るときなどにふくらはぎの筋肉が足の裏を踏み返すときに、地面を蹴ってつま先立ちになる動きに関係しています。このように運動で繰り返し負荷がかかった後に十分な回復期間をとらないと、アキレス腱の炎症が起こることがあります。
アキレス腱炎の診断について
アキレス腱炎の診断はスポーツなど原因となることがないかといった問診、痛みの部位に加え、場合によってはレントゲンやMRIなど画像検査によって行います。
アキレス腱炎の症状
運動をしているときや座っていて歩き始めるときに、ふくらはぎからかかとのあたりにかけて痛みを感じることがあります。このほか、アキレス腱を軽く触ると、痛みを感じる以外に腫れていることがあります。
アキレス腱炎の治療法
アキレス腱炎の治療には安静にして過度な運動を中止することが有効です。同時にアイシング、外用剤や消炎鎮痛剤の内服など保存的治療(出血を伴わない治療)を行ないます。
治りにくいと診断された場合には、かかとの部分を高くした中敷きを使うと、アキレス腱の過度な緊張を緩めることができるでしょう。
また、症状が似ている病気で「アキレス腱周囲炎」というものがあります。こちらは炎症が腱自体でなく腱の近くの組織(パラテノンというゼリー状の組織や皮下脂肪)に生じる病気で、診断ではアキレス腱炎と区別されます。しかしアキレス腱炎と同様の保存療法を行なうことになります。
いずれにしても、整形外科の診察を受けて正しい診断を受けましょう。