大阪市東住吉区の天野整形外科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。「地域の皆様の健康維持に役立ちたい」という思いを胸に、日々診療を行っておりますが、こちらのブログでは病気のこと、そして日々の健康に役立つことなどを発信して参ります。
今回は“腰椎椎間板ヘルニア、手術しなくても治せる方法”についてです。
腰椎椎間板ヘルニアについて
腰椎椎間板ヘルニアといえば、症状が進行すると治療に手術が必要となりますが、手術しなくても治せる可能性はあります。症状は主に腰から下半身に掛けての痛みやしびれで、足に力が入りにくくなったりもします。また背骨を繋ぐクッションの役割の椎間板が、加齢などの影響で変形したり、飛び出して神経に触れてしまうのが症状の原因となります。腰椎椎間板ヘルニアの診断や治療などの診療は整形外科の領域で、進行すれば確かに神経に触れている部分を取る手術の検討が必要です。
しかし、実は腰椎椎間板ヘルニアは特に何もしなくても、安静にしていれば8割の患者さんは自然に症状が改善されます。つまり手術しなければ治らないと悲観することはなく、むしろ悪化を防ぐ保存療法をすれば手術しなくても治るわけです。 全ての腰椎椎間板ヘルニアが自然に治るとは限りませんが、少なくとも手術を決める前に保存療法に挑戦してみる価値はあるといえます。症状が痛みに留まる場合は、鎮痛剤を投与して痛みが引くか様子を見ることがあります。それと症状があらわれ始めた初期は安静が必要ですが、近年は安静よりも体を動かして治療を促進する考え方が主流となっています。
勿論、腰に負担を掛けない腰椎コルセットなどの装着と、整形外科的に無理のない正しい運動を行うことが前提です。腰椎椎間板ヘルニアと一口にいっても、自覚症状を伴わない人もいれば、下半身が麻痺する人もいます。
この為、まずは整形外科を受診して腰椎椎間板ヘルニアを診断してもらい、症状の程度と状態を確認することが大切です。痛みが強く出ても進行していないのであれば、いわゆる神経を麻酔で感覚を鈍らせる神経ブロックも治療の選択肢になります。手術を検討するのは痛みが長期的に長引いたり、麻痺症状と膀胱直腸障害があらわれている場合です。保存療法で症状が落ち着くなら手術は不要ですし、腰椎牽引やマッサージといった理学療法で改善に期待することができます。